養子縁組は相続対策になる?
相続対策の1つに養子縁組があげられますが、どのくらい有効なのでしょうか。また本当に有効なのでしょうか。
養子縁組の種類
養子縁組は、特別養子縁組と普通養子縁組の2つがあります。
特別養子縁組には、養親が25歳以上、養子は6歳未満という条件があり、特別養子縁組をすると実親との親子関係はなくなってしまいます。普通養子縁組は、養子縁組をしても実親との親子関係はなくなりません。相続対策が目的の場合の養子縁組は、通常普通養子縁組を行うことになると思います。
養子の数の制限
相続税を計算する上で、法定相続人となれる養子の数に制限があります。
①被相続人に実子がいる場合…1名まで
②被相続人に実子がいない場合…2名まで
養子縁組のメリット
①基礎控除額の増加(基礎控除額 3,000万+600万×法定相続人の数)
法定相続人の数が増えれば控除額が600万円ずつ増えます。
②生命保険金・退職手当金の非課税額の増加
生命保険金・退職手当金には、それぞれ1人当たり500万円の非課税枠がありますので、法定相続人が増えれば非課税枠が増えます。
③相続税率が下がる可能性
控除額や非課税枠の増加による課税財産の低下によって税率が下がる可能性があります。
④本来2回の相続が1回で済む
孫を養子にした場合、1代飛ばして相続させることができます。
養子縁組のデメリット
①孫養子の相続税2割増し
上記メリット④の孫養子の場合、孫の相続税額分に対しては通常より2割の相続税が加算されます。
②相続人間でのトラブル発生の可能性
養子縁組により本来の相続人である実子などとのトラブルが発生し、遺産分割がまとまらない事によって相続税の特例などを受けられない場合があります。
③相続税増加の可能性
実子がいないとき、甥や姪など複数人が法定相続人となっている場合があります。このような場合に養子縁組をすると、養子が第一順位の法定相続人になります。実子がいない養子は最大2名までが法定相続人ですので、養子縁組前より養子縁組後が法定相続人の数が少なくなる事により基礎控除額が減り、かえって相続税が増える可能性があります。