平成31年1・2月号 相続法の改正Ⅲ
法務局にて自筆証書による遺言書保管
法務局で自筆証書による遺言書が保管可能に!
法務局による自筆証書遺言書の保管の制度の新設により、自筆証書遺言の保管が法務局で可能となりました。
自筆証書遺言は専門家に預けるこのとも可能ですが、遺言者自身が自宅等に保管することが多く紛失や相続人による廃棄・隠蔽・改ざん、遺言書自体が発見されない、裁判所の検認を受けずに開封し効力を失うなど様々な問題点があります。そこで法務局による保管制度の利用によりこのような問題を回避できることになります。
どんな手続き?
遺言者自身が法務局にて行います。法務局では遺言書を画像データとして保存した上で原本が保管されます。保管した遺言書は、遺言者自身はいつでも閲覧、申請の変更・撤回が可能です。
誰が見られるの!?
遺言者の生存中は遺言者以外が遺言書の閲覧を行うことはできません。
ただし、遺言書が保管されているかどうかの照会に関しては誰でも行うことができます(遺言書保管事実証明書の交付請求)。
遺言者の方が亡くなった場合どうしたらいいの!!?
遺言者の死亡後は、関係相続人(相続人、受遺者、遺言執行者等)のみが「遺言情報証明書」の交付、遺言書原本の閲覧、の請求をすることができます。
関係相続人のうち誰かが「遺言情報証明書」の交付、遺言書原本の閲覧を申請したときは、法務局は他の相続関係人に対し遺言書を保管している旨を通知することとなっています。
せっかく考えて書いた遺言書をフイにしないために、保管方法もしっかり検討しましょう!