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令和元年9・10月号 財産の捕捉

財産債務調書と国外財産調書

 近年海外での財産の保有が増加傾向にあり、税金の適正な課税の確保を図るために、納税者本人から所有財産の申告を受ける仕組みとして「財産債務調書」と「国外財産債務調書」の提出が求められています。今年の5月にはその調書不提出による初の刑事告発が行われており、更には所得・資産の捕捉のため、国外送金等調書へのマイナンバーの記入や金融機関口座に関する海外との情報交換制度の整備などが進められています。

財産債務調書

財産債務調書とは財産の種類、数量及び価額並びに債務の金額その他必要な事項を記載する調書です。

提出対象者

所得税及び復興特別所得税の確定申告書を提出しなければならない方で、その年分の退職所得を除く各種所得金額の合計額が2,000万円を超え、かつ、その年の12月31日において、その価額の合計額が3億円以上 の財産又はその価額の合計額が1億円以上の国外転出特例対象財産を有する場合です。

提出期限と提出先

その年の翌年の3月15日までに、所得税の納税地の所轄税務署長に提出します。

国外財産調書

国外財産調書とは国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載する調書です。

提出対象者

居住者(「非永住者」の方を除きます。)の方でその年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する方です。

提出期限と提出先

その年の翌年の3月15日までに、所轄税務署長に提出します。

 

※適正な提出のため、虚偽の記載・提出の遅延等には罰則規定が設けられています。提出義務がある方はご注意ください。

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